上鈴木正一 オルフェーヴル原画展「命の輝き」

6/10・/17、苫小牧グランドホテルニュー王子にて、オルフェーヴル原画展「命の輝き」が展示されています。約半年間ほどの制作期間を経て、G1六冠レースのシーンが二通りの表現で描き分けられた大変稀な作品群です。氏による独自開発のキャンバス地に筆を30強の層に塗り重ね、馬の持つ力や生命としての儚さまでをもと、思いを込められた12点で一つの生命体としての作品群となっております。是非このご機会にご覧ください。〜作品について〜  

 2016年、JRA 顕彰馬・オルフェーヴル号の肖像画を手掛けたことで、オルフェーヴル に対して の思いはまた特別なものとなりました。 今回 12 点のオルフェーヴルを描くにあたっては、現役時代のオルフェーヴルを彷彿させる【生命感】 を主題としました。 一つとしては写実に徹し、その時の【臨場感】を表現し、もう一つは背景をイメージ化することで 【エネルギー 感】を生み出すことを狙いとしました。  競走馬は走るための芸術品としての使命を、レースを通して命がけで私たち に示してくれます。 その思いから、画家は謙虚な想いで馬に対峙しなくてはなりません。 制作にあたっては、一切の妥協を許さず『寝食を忘れて没頭する』ことこそが、馬たちに対しての 礼儀であるとかたく信じています。馬も真剣勝負であり、こちらも真剣勝負ということです。それに よって初めて、お互いが同等の【生命体】としての関係性を構築することができます。その関係性に さえ気づけば、後は【感じるがままひたすらに描く】だけです。 画の1点1点の仕上がりはもちろん大切なことですが、今回は12点を通しての完成度を重要視し 『12 点で一つの作品』を目指しました。 それには、主題とした【生命感】を統一させることが最も 必要なことです。単に形ではなく、表現された【画の内側から伝わってくる生命感】が、作品をご覧 いただく方と共有できればありがたい限りです。

上鈴木正一