自然体(態)

自然界はすべてがあるがままに存在し、裏・表のない絶対無二の世界である。人間も自然界の一部であるがままに存在しているはずが、あふれる情報に追われ価値観は多様化しひたすらに分離の世界を進んでいる。これは【自我による都合のはたらきが原因】で、不都合なものはすぐに排除しようとする行為によりますます不都合に陥るという悪循環によるものだ。数ある情報の中でも特に『感情に対する理解』は重要で、そのしくみを正しく理解するか否かで人生に大きな差を生む。例えば、ある出来事がきっかけで不安になったとする。その不安が心から離れず、ますます不安になり何も手につかなくなってしまうのは『不安から逃れよう・不安を取り除こう』とする行為からだ。そこで不安への正しい理解が必要で、不安(不安の状態)とは何か・・・。自分と対象との関係性(と必要性)から生じその関係性を示す状態にすぎず、不安は【結果であり、答え(正解)である】だから正しい状態を指す。不安の状態を【原因であり、問題である】と捉えるのが一般常識となっているから、事実はまったく真逆なのだ。つまり、正しい状態はそのままにしておけば良いのはあたりまえのことだ。これが自然体(態)の極意であり、このごくごく単純なことへの気づきが創作の上でも計り知れない要素となっている。